第I部 用語と槪念
第1部では, 本論の基礎的段階として「コンピュ一タ·ダラアイツクス」とう用語の中に存在する槪念的な未分化狀態とその問題点を指摘し, 新しい用語を作った背景やそ...
第I部 用語と槪念
第1部では, 本論の基礎的段階として「コンピュ一タ·ダラアイツクス」とう用語の中に存在する槪念的な未分化狀態とその問題点を指摘し, 新しい用語を作った背景やその槪念に關して論じる.
第1章では, 「コンピュ-タ·ダラフィックス」という用語を分析の對象にして, 語源と槪念, 用語としての開題点を考察する.
問題点は, 指示內容の廣さにによつて生じる槪念的な錯綜であり, 特に「支援」と「生咸」の問題, つまり製作のプセスの方式が明確ではないことが「コンピュ一タ·グラフィックス」が抱えてかる何よりの問題点であると指摘する.
續く第2章では, コンピュ-タの「生成」の部分を示すために「オ一トノ一モス·コンポジション」という用語を提案し, その槪念と意義, 分類方法に關して述べる.
なお, 自律惟という槪念が現代藝術, コンピュ一タ工學, コンピュ一タ·ア一トの中でどのように適用されてきたかに關して簡略な考察を行う.
第Ⅱ部 オ-トノ-モス コンポジションの形成と發展 第Ⅱ部は, 1960年代から 70年代の間で行われた「サイバネティックス·ア-ト」に關する考察(第3章)と80年代の以降からコンピュ-タ·ア-トの方法論として活發に應用されてかる「モルフォ-ジェネシス」(形態形成) に關する考察(第4章)で構成されている.
第3章では, まず「サイバネティンクス」という學問分野の用語や槪念を簡略に說明し, 續いてサイバネティンクスとコンピュ-タ·ァ-トの結合を美學的理論と實際的製作に分けて考察する.
最後に, 「サイバネティックス·ア一ト」に關する批判と今日的な意義に關して述べる.
第4章は, 「モルフォ一ジェネシス」という用語や槪念を述べ, 發展過程に關して考察する.
「モルフォ一ジェネシス」がコンピコ一タ·ア一トの-つの方法論として脚光を浴びたのは, 1980年代以降のことであるが, 生物の形態形成に關する敎學的考察は長い歷史を持ってぃる.
從って, クックとトムソンの古典的な硏究からマィンハ一トの最新の硏究成果に至る形熊形成の數學的モデルの展開過程を「成長モデル」, 「遺傳的變異モデル」,「セルオ一トマトン·モデル」, 「モルフォジェン·モデル」,「フラクタル幾何學のモデル」の五つのモデルに分けて解說した.
「オ一トノ一モス·コンポジション」の觀点で重要なことは, そのような形態形成のアルゴリズムだけではなく, それをいかに して造形作業に應用するのかの問題である.
從って, 第4章の最後の部分では, 「遺傳的變異モデル」を使う作家としてW.レイサムを, 「成長モデル」を應用する作家として河口洋一郎を取り上げ, アルゴリズムと作品の關係を구체的に考察する.
第Ⅲ部 應用に關する事例硏究
第Ⅲ部の第5章では, 現代美術の作品の中で數學的構造と作家の美的直觀が調和を成している事例としてマレ一ヴィチの입체造形作品「アルヒテクトン」の構造分析とフラクタル幾何學によるシミュレ-シヨンを行う.
その結果, 「アルヒテクトン」の中ではフラクタル幾何學の自已相似性と類似する構成原理が存在するが, 同時に構成要索の削除, 移動, スケ一ルの變化等によって作家の主觀的な業的判斷が反映されていることが分かつた.
第6章では, 「パタ一ン·ジェ』ネレ一タ」と名づけたプログラムの試作とその問題点の改良方法を扱う.
「パタ一ン·ジェネし一タ」は, C.ピックオ一バのパタ一ン生成のアルゴリズムに, グラフによる形態情報の選別·始点設定によるグラデ一ション·パタ一ンの生成機能を加えることによって, 自律的作劃アルゴリズムと使用者の相互作用を可能にしたプログラムである.
終章
終章では, 硏究目的で述べた「槪念定義」, 「史的考察」,「應用硏究」に對應して結論をまとめ總合的な結論を下す. 總合的な結論は以下のようである.
1) 形態生成のアルゴリズムは, これまで主に自然物をシミュし一トするために使われてきたが, 造形藝術とデザイン分野の構成原理として使われる可能性を持っている
2) このような可能性を實現するためには, コンピュ一タ言語や數値制御だけではなく, 現在の一般のユ一ザに親しむGUI等の方式を導入することが望ましい
3) 自律的な作劃アルゴリズムとユ一ㄸザの間のインタラクションは, 少なくとも造形とデザインの製作における發想意段階で有意義な結果をもたらすと考える